ジムトンプソンの創業した会社は、主に3本の柱でそのブランドを築いてきた。
第一には、創業者ジムトンプソンにまつわる神話。
第二には、西洋の現代的なデザインと結びついたタイの伝統と文化遺産の独特なブレンド。
第三には、単なる家内工業製品からライフスタイルコンセプトへのブランドの昇華である。
ジムトンプソンは、創設者、彼自身の経歴、タイシルク産業への貢献と彼の最終的な謎の失踪といった、ブランドにまつわる物語を残している。
タイシルク産業を復活させるジムトンプソンの貢献と、ビジネスそのものにおける戦略的パートナーとしての織工コミュニティへの関わり方は、タイでは伝説となっている。
この関わりを活用することで、ジムトンプソンはタイの社会構造に溶け込むことができた。
ジムトンプソンは、タイの伝統と西洋の現代的なデザインの魅力をブレンドすることにより差別化に成功している。
そのブランドは、アピールや洗練された市場で受ける入れられるデザイン、色や生地を開発するために、一流デザイナーとのコラボレーションしている。
最後に、ジムトンプソンはシルクと現代的なデザインを中心としたライフスタイルのコンセプトを作成した。
同社は絹織物で始まったわけが、その後、一般家庭用家具やバンコクで3店舗、クアラルンプールで1店舗のレストランさえ構えるほど拡大していった。
これら2つのブランドの拡大は、新しい上級ライフスタイルのコンセプトを生み出すために、ジムトンプソンにもたらしている。
これらの3ブランドの柱によって、ジムトンプソンは、市場での差別化、強力なブランドを構築することができてる。
その品質、デザインとアジア的センスのために知られていて、ジム·トンプソンは広くホスピタリティ業界のリーディングブランドとしても認められている。
そのブランドの家具材料は、広くオリエンタル、アマンプリ、リージェント、コンラッドとスコータイなどの高級ホテルの多くで使用されてきた。
ヨーロッパでは、パークハイアットパリやパークハイアットミラノホテルはジム·トンプソンの家具材料に魅了された。
パークハイアットパリだけで、家具を9,000平方メートルも使用していると言われる。
ある一流のブランドが、ブランド資産価値と関連市場セグメントに多様化を強化するように、ジムトンプソンも同じような道を進んでいる。
今日では、そのポートフォリオは単なる絹織物だけでなく、多くの商品ラインナップで構成されている。
それは、スカーフやハンドバッグ、テキスタイル、アパレル、一般家庭家具用アクセサリーにまで及ぶ。
実際のところ、家庭用家具は、ソファやアームチェア、ダイニングチェア、ダイニング・コーヒーテーブルやランプで構成されており、それが全体のビジネスにおいて約30%、総輸出の90%を占めるほど、全体の事業の重要な一部となっている。